【博士女子のリアル】進学して見えてきた“想定外のしんどさ”たち

博士課程の生活

こんにちは、みのりです🌿

以前のブログでは、博士進学の「女性だからこそのメリット」についてお話ししました。

【博士進学を迷う女子学生へ】進んでよかったと思えた理由とは?
こんにちは、みのりです🌿今回の記事は、博士課程への進学を考えている理系女子学生の方へお届けしたい内容です。「博士課程に進もうか迷ってるけど、女子で行く人って少ないし…」「結婚・出産のことを考えると不安…」「研究が好き。でも“向いてないかも”...

今回は少しだけ視点を変えて、「博士女子として進学してから感じた“リアルなしんどさ”」について書いてみようと思います。

進学前は「研究が好き」「もっと学びたい」というシンプルな気持ちで進路を選びました。
でも実際に進んでみると、研究そのものとは関係ないところで、思いがけず疲れてしまう場面がありました。

今日は、そんな「正直これがしんどい…」と感じたことを3つ、私の経験ベースでまとめてみます🫧

💡この記事はこんな人におすすめです

  • これから博士課程に進もうか迷っている方
  • すでに博士課程にいて、「ちょっとしんどいな…」と感じている方
  • 理系分野で「女子が少ない環境」に身を置いている方
  • 研究は好きだけど、ジェンダーや立場の“重たさ”に戸惑いを感じる方
  • 博士課程のリアルな一面を知りたい学部生や社会人の方
  • 大学院進学を考えている女子学生の保護者や指導教員の方

1|“女子代表”になってしまうプレッシャー

私が一番想定していなかったのは、「女性であること」によってアカデミアのジェンダーにまつわる話題に巻き込まれる機会がすごく増えるということ。

その背景には、いまのアカデミアにおいて女性研究者の割合がまだまだ少ないという現実があります。
特に理系の分野では、「研究室で女子は1人だけ」ということも珍しくありません。

その結果として、たとえばこんな場面が増えます:

  • 女性限定公募についてどう思うか?と意見を求められる
  • 「女子学生を増やすにはどうしたら?」と相談される
  • ガイダンスで「女子がいるアピール」のために登壇を依頼される

私はただ、研究を楽しみたくて進学したはずなのに、気づけば社会問題や制度、教育のあり方にまで向き合う場面が増えました。

もちろん、こうした議論やアウトリーチ活動が大切なのはわかっています。
でも、それを“女性”という属性だけで一身に背負わされるのは、正直しんどい。

「自分の意見=女性の代表意見」みたいに扱われるのもプレッシャーですし、
アカデミアに残れば、こうした役割はこれからもついて回るのかもしれない…と思うと、時々気が重くなります。

この感覚、たとえば留学生が自国の政治的ニュースについて
「どう思うの?」と意見を求められるような場面に似ているかもしれません。

その人自身の意見というより“国の代表”のように扱われてしまうかもしれないという、
あの微妙な負担感です。


2|セクハラと“距離感”の難しさ

もうひとつ、周囲の話を聞いていて感じたのが、セクハラ的な関係性が起こり得る環境であることへの注意です。

私は幸い、今までそういった経験はありませんが、それは運や周囲の環境に恵まれていた面が大きいと思っています。
実際、近くにそうした被害にあった人もいて、「他人事ではない」と常に感じています。

研究室は閉鎖的で、上下関係が強く、生活との境目も曖昧になりやすい場所。
だからこそ、「そういうことが起き得る場だ」という前提をもって、慎重であることが大切だと感じます。

そしてこれは自分にも言い聞かせていることですが、
無自覚に“加害的な振る舞い”になってしまうリスクもゼロではありません

研究室の人と仲良くなりたい気持ちはありますが、
お互いにとって無理のない、心地よい距離感を保つことが思いやりにもつながると感じています。


3|友達ができにくい

そしてもうひとつ地味につらいのが、友達ができにくいことです。

2つ目で触れたように、私は研究室の人たちと適度な距離感を意識していて、
それは自衛の意味でも、相手への配慮としても必要だと感じています。

でもその分、「仲良くなりたいけど、なれない」というもどかしさを感じることも。

  • 学会やラボの何気ない雑談でふと孤独を感じる
  • 「仲のいい研究仲間」がいる人を見て、うらやましくなる

そんな瞬間が、たまにあります。


おわりに|前向きなことだけじゃない。でも、伝えておきたかった

この記事で書いたことは、進学する前にはあまり想像していなかった「しんどさ」です。
でも、いま博士課程で頑張っている人や、これから進学を考えている人に、こういう一面もあるよということを伝えておきたくて、今回まとめてみました。

もちろん、私自身、博士課程に進んだこと自体は後悔していません。
実際、進学前に思い描いていたように、研究を楽しく続けられていますし、
自分のペースで考え、学び、深めていける今の環境には、とても感謝しています。

そしてもうひとつ、最後に大切なことを。
ここまで「博士女子としてのしんどさ」にフォーカスして書いてきましたが、
正直に言うと、博士課程のしんどさの多くは“女性だから”というより、そもそも研究そのものが大変だから、という側面の方が大きいかもしれません(超重要情報)

  • 実験や分析がうまくいかないこと
  • 自分の問いに確信が持てなくなること
  • 孤独やプレッシャーと向き合い続けること

そうした中に、上で書いたような「女性であることでしんどく感じること」も、たまに追加で少しだけ重なるという感覚です。

ちなみに、博士課程のしんどさを乗り越える私なりのコツをまとめた記事はこちら👇

博士課程、つらいときはどうしてる?私が「もう無理かも」と思ったときにすること
こんにちは、みのりです🌿このブログでは、博士課程での生活や進路、恋愛や暮らしのことを綴っていますが、今回は少しナイーブだけどとても大事なテーマ、「研究で落ち込んだときのメンタルマネジメント術」について書いてみようと思います。「実験がうまくい...

「女性だからしんどい」と決めつけたいわけではなく、
研究という大きな挑戦の中で、いろんな“個人のしんどさ”がある
んだと思います。

無理に「前向きでいなきゃ」と思わなくて大丈夫。
悩みながらでも、迷いながらでも、進んでいけたらそれで充分。

このリアルな気持ちが、誰かのこころを少しでも軽くできたらうれしいです🌿
また次の記事でお会いしましょう🫶

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