周りの博士女子に聞いてみた。“あなたはなぜ博士課程に?”

博士課程の生活

こんにちは、みのりです🌿

今までの記事では、博士女子のリアルな声や日常についてお届けしてきました。

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でも、そもそも——
博士課程って、いろんな意味で「特殊な進路」と思われがち。
だからこそ、よく聞かれるんです。

「なんで博士課程に進んだの?」

今回は、私のまわりにいる博士女子たちに聞いてみた「博士進学の理由」をご紹介してみたいと思います。
(※個人が特定されないよう一部表現を変えています)

この記事はこんな方におすすめです🌿

  • 博士課程への進学をちょっとでも考えたことがある
  • 「みんな、なんで博士に行こうと思ったの?」と気になっている
  • 進路に迷っている大学生・大学院生
  • 博士女子のリアルな声を聞いてみたい
  • 自分の進学理由にちょっと自信が持てないとき

① 研究が好きすぎて自然とここにいたタイプ

「なんか、気づいたら博士まで来てました(笑)」と話してくれたのは、理論物理系のAちゃん。

彼女は学部のころから、自分のテーマにじっくり取り組むのが好きで、
新しい概念に出会ったり、仮説を立てて考えを深めていく時間を、何より大切にしてきたそうです。

「研究について考えている時間が、一番好きなんです」

実験がうまくいかない日でも、帰り道やお風呂の中でふとアイデアが浮かんだりする瞬間があって、
そういう時間こそが、自分にとって“心地いい”のだとか。

そしてもう一つ、博士進学を決めた背中を押されたのが、修士のときに参加した国際学会での経験。

「住んでいる場所も話す言葉もバラバラなのに、研究の話になると一気に通じ合える感じがして、不思議な一体感がありました」

あの瞬間、自分の研究が“世界のどこかで誰かとつながっている”という実感を持てたそうです。

「来年も再来年も、この場にいたい」
そう思ったとき、自分の中で自然と“博士に進もう”という気持ちが固まった、と教えてくれました。


② 就職したくなくて“迷った末の進学”タイプ

「就活が無理だった…」と苦笑いしながら話してくれたのは、生物系のBさん。

周りがリクルートスーツに身を包んで説明会に行く中、彼女も何社か足を運んでみたそうです。
でも——

「どの会社の説明を聞いても、“人生を賭けてやってみたい”って思える仕事が、なかったんです」

もちろん、企業で働くことの意味や魅力も感じていたけれど、どうしても自分がそこに立っている姿が想像できなかった、と。
「だからって、すぐに“博士に行こう”って決めたわけじゃないんですけどね」と前置きしながらも、

“今の研究をもうちょっとだけ深くやってみたい”って気持ちが、心のどこかにずっとあった」

そう振り返っていました。

「正直、あのときは逃げるように進学したけど、博士課程に来たからこそ出会えた景色や気づけたことがあって。今では、“あのとき来てよかったかもな”って思っています」

と話す彼女の言葉には、迷った末にしかたどり着けない芯の強さを感じました。


③ 誰かの背中を見て、自分も研究者を目指したタイプ

「学会で、ずっと心に残っている人がいるんです」
そう語ってくれたのは、実験物理系のCさん。

修士1年のときに参加した国際学会。
その中で、ひときわ注目を集めていたパネルトークがあったそうです。
登壇していたのは、第一線で活躍する女性研究者たち。
その中に、Cさんがひと目で惹かれた人物がいました。

「専門的な話だけじゃなくて、研究が社会とどうつながるのか、どう未来を形づくっていくのかを、すごく力強く語っていて」
“ああ、この人みたいになりたい”って、直感的に思いました」

それまで、博士課程は「限られた特別な人が進む道」だと思っていたそうです。
でもその姿を目の前にしたとき、研究者という生き方が初めて自分の現実として浮かび上がったのだとか。

その出会いをきっかけに、Cさんは本気で「自分も研究者になりたい」と考えるようになりました。

「いつか、自分も誰かにとっての“ロールモデル”になれたらいいな」

そう言って笑った彼女は、もうすでに、その背中を誰かに見せている気がしました。


④「自分しかできないこと」が欲しかったタイプ

「私、いわゆる器用貧乏タイプだったんです」
そう話してくれたのは、応用化学系のDさん。
何をやってもある程度はこなせるけれど、「これが得意!」と胸を張れるものがないことに、ずっともやもやしていたそうです。

そんな中で出会ったのが、学部4年で取り組んだ卒業研究。
うまくいくかも分からない実験に、何度も試行錯誤しながら取り組むうちに、ふと感じたのだとか。

「これ、たぶん今の時点で世界でやってるの、私だけかも…って」

もちろん、そんなにすごい研究だったわけじゃない。
でもその感覚が、初めて“自分だけの問い”に向き合えた実感だったと言います。

博士課程に進めば、もっと深く探れて、自分しかできないことを見つけられるかもしれない。そう思ったんです」

その気持ちは、今も彼女の中でずっと続いているそうです。


⑤ 海外キャリアを見据えて博士に進んだタイプ

「海外で働きたいっていうのが、最初にあったんです」
そう話してくれたのは、情報系のEさん。

学部時代からAIやデータサイエンスに興味があり、将来海外のIT企業やスタートアップで働きたいと思うようになったといいます。
そのとき初めて、「そのためには博士号が必要なんだ」と知ったのが、進学のきっかけだったそうです。

「英語で論文を書いたり、国際会議の発表を聞いたりするのもすごく楽しくて。
自然と、“じゃあPhDまで行こう”って気持ちになりました」

まわりが就職活動を始めるなか、自分だけ違う方向に進むことに不安を感じたこともあったといいます。
でもそのぶん、「やってみたいことに、まっすぐ進めている」という実感も強かったと話してくれました。

博士課程に行けば、海外でも通用するスキルが身につくと思ったし、まずはそこをしっかりやってみたいなって」

実際に今は、在学中に海外の大学でインターンシップも経験しているそうです。
その行動力が、彼女の進む道を確実に形にしているように感じました。


おわりに🌿

「博士課程に進む理由って、特別な何かがある人だけでしょ?」
そんなふうに思われることもありますが、実際に話を聞いてみると、
きっかけも、迷い方も、進む速さも、人それぞれなんだなと改めて感じます。

“研究が好きだから”でも、“今はこれをやってみたいから”でも、
そこに本人なりの思いがあるなら、それでじゅうぶんなんじゃないかと思います。

私自身も、「なんとなく始めたつもりが、いつの間にか夢中になっていた」タイプのひとりです。

もし今、博士課程に興味があるけど一歩踏み出せずにいる方がいたら、
「こんな理由でも、進んでいいんだ」と思ってもらえたら嬉しいです。

みなさんの周りには、どんな理由で博士に進んだ方がいますか?
よければコメントやSNSで教えてくださいね🕊️

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